意外…
お母さんは、働くことに不満を持っていた。
専業主婦だったが、以前店を切り盛りしていた祖母が倒れてから、母が父と二人で店をやってきた。
いつだって、店の愚痴ばかりだった。
そんな母が、入院してからというもの、店のことを心配している。
それまで母は、とにかく店を早く閉めたかった。
父には外に働きにでてもらって、と考えていた。
母いわく、
「なんだかんだで、いまベストな状況なのかもしれない。自分はこうなると外で働くことができないし、いまさら父も外で働くのはむずかしいだろう。そうすると、細々と店を続けるのがよいのかも。」
他にも、
「お父さんにとって、お店で働くことは生き甲斐。それをなくしたら、あの人は…。」
なるほど。